2016.09.30 過去のニュース
水槽で学ぶ ―比例の授業―
9月30日、中学1年生の数学の授業。
水槽の実験をしました。
使ったものはアクリル板で作った手作りの水槽…この水槽は大小の水槽を底の部分で繋げたものになっており、小さい水槽の入り口から水を溜めていくと、つながっている底の部分を通り、大きな水槽の方に水が流れ込んでいくようになっています。実験では小さい方の水槽に静かに(それほど勢いをつけずに)水を溜めていきます。
このとき、
水位はどのようになっていくでしょうか。
(ア) 水位は水を入れている小さい水槽の方が高い
(イ) 水位は水を入れていない大きい水槽の方が高い
(ウ) 大小の水槽同じ高さ
生徒からいろいろな考えがあり、どの意見も『もっともらしい』ものでした。
(ア)の支持者は、容積が小さい方に水が溜まって、それが徐々に大きな水槽にもたまる
(イ)の支持者は、(ア)の逆で容積が大きいほうにどんどん水が溜まっていく
(ウ)の支持者は、水槽はつながっているので一方の高さと同じにもう一方も溜まる
なお、はじめは(ア)で次第に(ウ)となったり、計3回予想を聞きましたが、大きく考えが二転三転している生徒が多数いました。お互いに考えを共有することで、改めて考え、答えが全く変わってしまったようでした。
実験には興味津々の生徒達。「私が手伝う!」と自ら教卓に集まり、実験は始まりました。徐々に水の水位が変化するとともに、「あーーー!」と周囲から声が…。
結果は(ウ)の大小の水槽の推移は同じ高さでした。
終了後、「でもどうしてそうなったのかな?」と言っている生徒達。(ア)や(イ)の支持者の意見の方が説得力があったようで、それが考えの二転三転を生んだのでしょう。
水槽実験 | 水位が同じ! | この関係は… |
この後、今度は逆に水槽の水を抜いていくとどうなるか、という追加実験もしました。溜まった水をぬいてみると、その結果は見事に同じ水位のまま水が抜かれていきました。クラスの全員が実験装置の周りに集まり、水槽にくぎ付けになっていました。
これらの内容は「比例」であるということを、実際に体験しながら学ぶことができました。実験中少し水漏れをしましたが、数名できれいに床や教卓をふいてくれたことがありがたかったです。
数学科 小林俊道
水を抜く追加実験 | 同じ水位 | この関係は「比例」 |