2016.07.02 過去のニュース
東京女子学園の美術
高校1年生の美術(選択授業)では、「ボックスアート」の制作に取り組んで20年になります。
ボックスアートとは、木箱の中に各自が選んだテーマに合わせ、印刷物や写真、身の回りにある生活雑貨などの既製品や、自身の手で作り上げたものを自由に配置し、構成する課題です。
制作にとりかかる前に制作時間と同じぐらいの時間をかけて、テーマやコンセプトを考えます。何度も何度も先生や友人と意見交換しながら、計画を立て、制作に臨んでいます。問答を繰り返すことによって、テーマが絞り込まれ、作りたいものがはっきりと見えてくるのです。最初に考えていたことからは、全く違うものに発展していくこともあります。
最後に作品をプレゼンテーションしてもらうと、日常の生活では、なかなか気づきにくいお互いの考えや関心がこのようなところにあるのかと、驚きや発見があります。
長い期間取り組んでき、世の中の変化、生徒の変化によってテーマも変わって来ていますが、物事を観察する力や多くの情報の中から共感出来るものを探し出す力は必要だと感じます。
身の周りの状況が日々変化していく中で、テーマを絞り、ゼロから作り上げて行く作業は大変なものですが、この美術の時間が、自分の立っている場所はどこなのか、内省し、向き合うきっかけにしたいと考えています。(美術科 T.K)