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2016.02.23 過去のニュース

アクティブ・ラーニング 国語科中2

Dsc_0793情報化社会である昨今、モバイルやパソコン相手が主体になり、人を相手にすることが減少してきました。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを多用すると、文章に主語が欠けたり、社会的な場に応じた敬語を用いることができなくなったりして、文章力やコミュニケーション能力が低下する傾向があると言われています。

国語科では、正しい文章の作成と構成を学ぶため、また読解力を養うために「文章連弾」という授業をしました。「文章連弾」とは、国語科の授業において、生徒一人一人に短文を作成してもらい、そのストーリーを継続させて文章に仕上げるというものです。「連弾」は「1台のピアノを、二人で演奏すること」という意味ですが、「ピアノ=小説」と捉えてください。「1つの小説をクラス全員で作成する」試みです。読解力の向上を意図して構成したプログラムであり、文章を楽しみながら連弾するように繋げてゆくことができれば、と考えています。上記の「思考力」「創造力」「表現力」が必要になるプログラムです。

Dsc_0797文章連弾の目標は以下の通りです。

①文脈を理解すること(=読みとること・聞くこと)
②自身の文章を発言すること(=話すこと・表現すること)
③内容を整理すること(=メモ・書くことと文脈を理解すること)
④作ること(=創作力・創造すること・文章作成能力)
⑤言語や国語への純粋な興味関心をあおること。強制されたテストの解答作成ではなく、自身で完成させてゆく。文章の不完全さも含めた愛着を感じとってもらう。

Dsc_0794今後発展していくと、授業中に学習した漢字検定3級の熟語や、準2級の熟語を入れて書こう、などの条件も足してゆくことになります。自分で熟語を使うことは、熟語を覚える近道になります。

中学二年生 文章連弾作品例 
※生徒名をA・B・C…としました。

A 彼女は小鳥遊(たかなし)亜理紗という十四歳の女の子です。
B 亜理紗はバスケが好きで、小学生の頃からバスケットボールを
  触っていました。
C 今では、部活動もバスケ部に所属しています。
D ある休日、亜理紗はペットの犬と一緒に遊んでいました。
E その犬は、亜理紗とボール遊びをすることが大好きで、
  とても喜んでいました。
F その様子を見ていた亜理紗は、めいいっぱいボールを投げました。
G しかし、勢い余ったボールは道路に出てしまいました。
H 亜理紗の犬は、そのボールを追いかけて、道路に飛び出してしまいました。
I 亜里沙は一瞬の出来事に戸惑っていましたが、咄嗟に手と足を出して、
  犬のもとへ必死に走りました。
J 気が付いた時には…

このような流れになります。文章の流れを理解することが求められるので、前の文までの内容をきちんと理解し、読解しておくことが大切です。小説を作成した後はディスカッション(討論)をします。この内容で良かったか、文体は合っていたか、熟語は用いることができたか、小説に魅力はあるか…。

Dsc_0787文章作成途中に、経済協力開発機構(OECD)のPISA調査のような、内容に関する発問もして、理解を促すこともあります。自分たちで作る小説、ということもあり、生徒たちは時に熱心に、時に楽しそうに、時に熟語を思い出しながら取り組んでいました。文章作成能力を高めるために、今後も実施する予定です。


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