2016.01.23 過去のニュース
空間の図形 中1数学
中1 空間の図形の授業から
小林俊道(数学科)
中学1年生 数学の授業では年明けから空間の図形(凸立体)に入りました。その入り口として、1つの面が正三角形で出来る立体 を生徒に可能な限り多くの種類を作ってもらいました。全部で8種類あり次の面の数でできます。
4 6 8 10 12 14 16 20
これらはデルタ多面体といわれます。4、6、8 面までは全員で確認し、その先の残り5種類は自ら試行錯誤で作成してもらいました。
授業プリント① | 授業プリント② |
次に、この8種類のうち、「いいなぁ」と思う立体をいくつか手をあげてもらって人気をみました。そこで選ばれたのが、4、8、10、20面でした。ここで、さらに「この中で4、8、20」に共通の性質を持つ立体として正方形6枚で作れる立体と、正五角形12枚で出来る立体を含め、先の4、8、20の立体と併せて5つを並べたところで、その共通点を聞きました。すると「どの頂点にも同じ枚数の面が集まっている。どの面も合同な多角形。」という正多面体の特徴を生徒は発見しました。しかも、先のデルタ多面体のときに発見できたオイラーの多面体定理(面-辺+頂点=2) がこの正多面体でも(実際は加わった正六面体と正十二面体)成り立っていることが分かりました。本日の授業はこのことが大きな山場となりました。
次に、準正多面体の入り口として、それぞれ合同な2種類の形の面でできる立体(角切り八面体)を正六角形8枚と正方形6枚を、生徒一人ひとりに配布して自らの構想の下に作成してもらったのが授業の残り時間15分でした。
生徒は、隣の座席の友だちどうし自由に教えあい、作成時に気づいたことや作り方などを互いに学びあっていました。空間の図形のところでは生徒に徹底して立体を作ってもらい、その性質を自ら発見して進めています。空間図形は目と手と頭を使って学べる、まさにアクティブに授業が展開され、雰囲気も和やかになります。
今後の授業は、準正多面体の代表ともいえるサッカーボール(正五角形の部分を穴あきとした)も作成し、準正多面体までもがオイラーの多面体定理が成り立つこと、さらには一般の立体についてもそれが言えることまで進みます。また、頂点の尖り具合(展開図での頂点となる点のまわりの角不足)、たとえば正四面体では180゜、立方体では90゜、正十二面体では36゜などを調べて、デカルトの定理の発見まで進める予定です。
生徒たちは一つ一つの発見の連続に、目を輝かせていました。
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