2015.12.29 過去のニュース
東京女子学園の思い
東京女子学園の思い
「幸せな人生を過ごしてほしい」、これが生徒に対する本校の望みです。建学の精神の「教養と行動力を兼ね備えた女性の育成」は、本校の初代校長棚橋絢子が波乱万丈な人生を生きて、どんなことが起こっても女性が幸せな一生を送るための精神とされたものです。
棚橋絢子は1839年江戸末期に裕福な造り酒屋に生まれ、子供の頃から学問が好きで家事、裁縫などとともに、そろばんや漢学を学びました。11歳で孟子の教えに感銘し、14歳で「四書五経」と言われる重要古典を全て修得し、弟と共に本格的に学問を学びました。学問を通して盲目の漢学者棚橋大作と知り合い、結婚しました。
この後、美濃国の代官であった棚橋家は録を失い、生活が困窮し子供も実家に預けなければ食べていけないような悲惨な状況が数十年続きました。百姓仕事から臼引き、繕いものなど早朝から仕事をこなしながらも、夜は夫大作に漢書を読むなど、学問を中断したことは一日もありませんでした。その後、福澤諭吉と知り合い、宮家のお嬢様の教育や学習院での教育に力を尽くされたあと、65歳で本校の初代校長に就任しました。その後も何回か重い病と闘いましたが、100歳まで教壇に立ち、女子教育に専念されました。102年間の人生から、絢子先生は女性が幸せに生きるためには、強くならなければいけない、そのためには学問が必要であり、自分が何をすべきかを考えて、世の中に役立つように行動して欲しいと説きました。良妻賢母をよしとした時代に、女性の自立をうながす学問の大切さを知り、東京女子学園を創立したのです。
グローバル社会をむかえ、コミュニケーション能力・ICT駆使力などの能力が重要視されています。そして、大学入試も2020年には大幅に変わり、PISA型の試験に対応する能力もさらに磨かねばなりません。東京女子学園もさらなるアクティブラーニングの充実を目指しています。113年の歴史をきざむ東京女子学園は、時代時代の≪知のパラダイム≫の変化に対応しつつ、『幸せな人生を過ごしてほしい』という生徒への願いを持ち続けてきました。お嬢様が、東京女子学園の6年間で教養と行動力を身につけた女性として幸せな人生を歩みだされることを願っております。