2015.10.22 過去のニュース
皆でつくるのはもっと楽しい! 中1 数学
中1 平面図形
‐基本図形の合同変換によるデザイン作成の発表会から‐
小林俊道(東京女子学園中学・高等学校 数学科)
去る10月17日(土),18日(日)に本校を会場にして、探求的なRLA(Researcher-Like Activity)による授業の事例研究(数学研究会)が行われました。その中のプログラムで17日の3時限目は、本校中学1年生35名によるグループ発表(公開授業)を行いました。
その内容は、平面の合同変換(移動)を駆使した基本図形によるデザインでした。4~5名を1グループとして8つの班に分けて、各班で基本図形を考え、その図(形)と合同な図(形)を70枚用意し、色も塗り模造紙いっぱい(たて7枚よこ10枚)に全体のデザインを考え貼り付け、作品を完成させました。班別の発表では、
① 基本図形の考え ② 作品のデザインの考え ③ 合同変換について
を項目として発表しました。
生徒個人の作品 | 様々な形 | 回転 平行 対称 |
ここにあげた写真はその第1段階では個人の作品(9月下旬の文化祭で発表)であり、RLA研究会においては第2段階として先の通りグループでの作品発表でした。グループ発表では班長と副班長が、上の①~③を述べ、そのあとで全員が作品づくりにあたって考えたことや変換について、さらには感想を述べ合いました。
なお、参観者38名(全国から32名、本校から6名)でした。生徒は緊張しながらも、一人ひとりがしっかりと自分の思いを伝えていたことが印象的でした。
生徒の作品作成での感想は次の通りです。
・みんなで考えた最初の図形は、基本的なものだったので完成を少し心配しましがた、70枚すべて並べてみると不思議な1枚に完成し、とても良かったです。
・図形の回転移動や平行移動を念頭に入れて形をよく考えて作った。きれいで「回転」「平行」「対称」も入れられてうまくできたと思う。
・基本図形を考えるのが大変でした。想像していたものとは少し違いますが、全体的に見てもきれいなので、成功といっても良いのではないかと思います。組み立てるのも、基本図形を考えるのもとても楽しかったです。
発表の様子 | どのように制作したのか | 発表を聞いて評価 |
みんなで話し合って | ご意見を伺いました | 作品に題名をつける |
4時限目は3限目の生徒の発表をうけて、授業検討会が行われ、参観者からのコメントをいただきました。生徒一人ひとりが一生懸命発表した姿が好評でした。
なお、午後には、『RLAの主旨と今後への期待』と題してその提唱者である市川伸一先生(東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース教授)の講演や、研究協力者の現場の実践報告(18日も同様)があり盛況のうちに2日間の研究会が終了しました。
本研究会の研究代表者は伊禮三之先生(琉球大学教育学部附属教育実践総合センター)であり、第1回研究会は3月に沖縄県立普天間高校を会場として行われました。
※RLAとは…
RLA(Researcher-Like Activity )とは、「研究者の活動の縮図的活動を学習の基本形態とする」学習活動のことであり、実際の研究者が行っている活動を、学習者それぞれの段階に合わせて模擬し(縮図的活動)、そうした活動を通して、学習者の意欲を引き出す教育実践です。