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2020.08.17 教育

(7)特色ある授業〜家庭科〜 ーオンライン授業ふりかえりレポートー

今回のオンライン授業でとくに好評だったものを取り上げていきます。まずは家庭科です。家庭での実習はまさにオンライン授業にピッタリでしたが、それなりに工夫が必要でした。

 

家庭総合(高2)

今回のオンライン授業では自宅に生徒がいるという条件を最大限に生かし、「食事作り」=「調理実習」とした。高校2年生は春期復習講座から「昼食作り」、「夕食作り」を課題とした。諸注意として、家庭内にあるもので作ること、人数(何人分など)は課さない。二品以上作る(炒飯・スープなど)とした。調理実習の目的設定には各種(品数、材料、調理器具、調理方法、人数分など)あるが、ステイホームの状況を考慮し、材料の買い物や調理方法などで無理をしない、ハードルを上げすぎないように配慮した。実際のオンライン授業では開始の20分ほどを教科書の内容(栄養素)をプリントにしたもので学習し、後半は調理実習の課題の内容に合わせて調理の動画を配信して準備する時間とした。家庭での調理実習を行った後はレポートを書いてもらい写真付きでロイロノートで提出させた。粉からパンをつくったり、ケーキやパイをつくる等、凝りに凝って実習を進める生徒も少なからずいた一方で、粉末のスープに湯を注ぐ、コンビニのパン(パンを電子レンジで温める)なども簡素な献立で済ます生徒もいた。そこで「包丁を使用する」、「加熱する(火を使う)」などの条件をプラスした。家庭での調理実習には、家族の協力が欠かせない。また、学校の宿題・課題となれば親の手が入ることも見越しての課題であった。普段の生活の中では、めったに調理をすることはないと思われる生徒であるが、家庭での調理に積極的に参加していた。

生徒の感想としては、「食事をつくるのは大変なこと(労力がかかる)」、「食事に文句を言ってごめんなさい」「毎回食事を作ってくれる家族に感謝」、「火を使って調理するのは熱い」「ひき肉を混ぜた時に手が冷たくてびっくりした」「鍋に水分が残っていて油を入れたらすごくはねて怖かった」「包丁で手を切った」「包丁が上手く使えない」「包丁が怖かった」「献立を考えるのが大変だった」「動画が役に立った」「動画だと簡単そうだったが実際にやってみると難しかった」「練習しないと料理はうまくできない」「自分の作った料理をおいしいと言ってくれた家族の言葉がうれしかった」等など、たくさんの気づきと発見、そして達成感があった。

豊かな人生を目指し、生きる力となる「生活」を学ぶ家庭科を、どうオンライン授業で展開していくのか。実習・実験を主体とする科目をどう進めて行くか。90分の非対面授業で生徒に最大限の効果を与える方法は・・・。授業が始まる前の悩みは尽きなかった。通常授業での実習・実験はグループで行うのが一般的であり、その人数が多いほど手待ちの時間が増えたり、臨場感にも欠け、教育効果もうすくなる傾向になる。調理実習回数は年間授業の中で、限られており、調理におけるすべての工程を一人の生徒が行うことは難しい。しかし、実際の生活の中では、すべての行程を一人で行うことが求められる。この点において今回の家庭での調理実習は大きな成果が得られた。しかし調理実習が一種のイベントとして取り上げられる様子も否定できない。これらの気づきを、より深く教科を学ぶことの手がかりとし、調理科学や他分野への興味や関心に結びつけられるように授業を展開していきたい。(家庭科 小島章子)

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